子ども時代をどうとらえるか

子ども時代をどうとらえるか

ここ半年ほどのことだけど、色々な考え事をしていて、その中でも、過去をどうとらえるかということについて、自分の中でも大事にしたい映画や動画に出会ったので紹介したいと思う。

映画「隣る人」

とある児童養護施設の8年間に密着した映画。血の繋がった親と何らかの事情で一緒に生活できない子どもたちが暮らしている。映画の中で、責任担当制・家庭的養護という言葉を初めて知った。きっと多くの人と同じように、私も児童養護施設のことをよく知らない。
職員も子ども達と寝食を共にし、子ども達を抱きしめ、彼らの思いを受け止めて寄り添っていく。
喧嘩することもあるけれど、それでも側にいる。子ども達は時に愛情を試したり、苛々して意地悪したりもする。お誕生日会で、職員さんが送る言葉は、
「どんなあなたも大好きだよ、ずっと一緒にいようね。」
ただ寄り添ってくれる人がいることが、きっとその人の心を温めると思う。大事にされた経験や、かけてもらった言葉が、きっとその人を支えると思う。その先の人生においても。
こんな風にいうのは、映画で一部分を切り取っても、その子の人生は今までも続いてきたし、これからも続いていくものだからだ。
この映画を紹介してくれたのは、児童養護施設併設の学校に勤務している友人。「明日ママがいない」というドラマが放送されていた時に、施設の様子を知るならこの映画を見てみたらどうかと紹介してくれた。友人も、誰かの思いをよく聞いてくれる人だ。映画を見て感じたことを、また会って聞いてもらいたくなった。

TED Talks 「ただ耳を傾ける―大抵はそれが一番の手助け」ソフィー・アンドリュース

TED Talks 「ただ耳を傾ける―大抵はそれが一番の手助け」ソフィー・アンドリュース

大好きな動画。父親から虐待を受けていた少女が、苦しんでいる人の話を聞く電話サービスに支えられ、やがて自身も誰かの思いに耳を傾ける存在になる。冒頭の痛々しい描写には胸が締め付けられる。でも、それでも前に進み続ける彼女のパワーに強く惹かれる。
このサービス「サマリタンズ」は、日本の「命の電話」のモデルになったサービスなのだそう。
私自身も、耳を傾けてくれた人に何度も助けてもらった。話しても否定されないということ、聞いてくれる人がいるということなんて、それまで知らなかった。気づかなかった。
悩みは誰に相談するものなのだろう。家族にも友達にも話せなくて、自分の味方なんて誰もいないと思う日が来るかもしれない。そんな時、電話の向こうの専門家という選択肢もある。
動画の題名「ただ耳を傾ける―大抵はそれが一番の手助け」に強く同意する。

「父親からの虐待、死、性同一性障害を乗り越えて」キットチャンネル

最後に大好きなYouTuber「キットチャンネル」の動画!

キットチャンネルのお二人は女性の身体で生まれたけれど、性自認が男性で、現在は男性としての人生を歩んでいる。
二人ともすごくかっこいいし面白いので、どの動画も好きなのだけど、英翔さんが自身が虐待を受けてきたことについて話しているこの動画は、特に印象に残ってる。
「許すとか許さないとかじゃなく、この人がいたから今の自分がある。」
正直、なかなかこんな風には言えないと思う。なぜなら、過去を肯定することだからだ。それをさっぱりと言い切るポジティブさは、色々なことを乗り越えてきたからこそ生まれるのだろうか。
自分が歩んで来た道の全てが、今の自分を作ってる。どんな過去でも、大事なのはこれからどうしていくかだ。前に進んでいこう!と思わせてくれる動画。
人生いろいろだけど、聞いてくれる人がいる有り難さに、ようやく私も気づけるようになった。人生の中で結構大事なことに気づいたんじゃないかなって思えて、自分でも嬉しい。
とてもおすすめなので、ぜひ動画見てみてください!